胡椒、少々?

今週気付いたこと、書き連ねます(今週とは言っていない)

連休明けの週末は #2

1次会の現地から行きつけのスナックは、歩いて行ける距離だった。

スナックには送別される先輩(以後はY先輩としよう)と年の近い先輩(こっちはN先輩とする)と私の3人で歩いて向かう。

行先のスナックの建屋は、まるっきりアパートの建築構造で、おそらくテナントとして1階と2階にそれぞれ別のスナックが入っていた。2階は日本人が主でキャストされている一方、1階は外人が主であるとN先輩が教えてくれた。外人は明らかにテンションが違うので、それはそれで面白いらしい。私はまだ2階のスナックにしか行ったことがないが、今回もY先輩の意向で2階のスナックが選択された。

向かう道中、Y先輩が「あれ、ママどうしたの」と私の見知らぬ女性に声をかけた。

私はその女性が1階のスナックのママであることを知る。おそらく中国辺りの出身の人なのだろう。若干カタコト訛りはあるが、流暢に「これから店の手伝いに行くネ」と言った。

どうやら今日はスナックに来る客の人数が少なく、代わりに近くの中華料理屋に顔を出すために向かっていたようだった。

「これからスナック来ル?だったら案内するヨ」と、ママは来た道を引き返して我々と一緒に歩んでいった。ママは、胸元が開き、ボディラインがくっきり分かるドレスに、ゴツい厚手のジャケットを1枚羽織っている格好だった。ママはニコニコとY先輩の話を聞いている。

断じて言っておくが、熟れた体型に興奮する性癖は生憎持ち合わせていない。

しかし私はこの光景に何とも言えない興味をそそられた。スナックの傍ら中華料理屋を営んでいる(逆の可能性も大いにあるが)、そのフットワークの軽さ、ないしは、商魂たくましさが、このニコニコしているママの活力になっていると思うと、なかなか人間面白いと思わずにいられなかった。不格好なジャケットと中のドレスもまるでママの二足の草鞋を体しているようであった。

ママと我々3人がスナックを構えているアパートに到着すると、2階から1人の女性が降りてきた。顔馴染みがある店員だ(この女性はまた後述しよう。あくまでも予定だが)

たまたまこの3人と会ったネ。案内してアゲテ」と、ママは店員に我々3人を引き渡した。

「今日はガラガラだったからお店暇だったの。連休明けの週末だからかな」店員も今日は手持無沙汰だったのだろう。ようやく客を捕まえたようで、ホッとしながら我々を店内に迎え入れた。

 

                                    つづく